読書の秋ということで、素晴らしい本に出会いました。
「そうだ、星を売ろう」タイトルからインパクトありますよね。著者は「100円のコーラを1000円で売る方法」で有名な永井孝尚(ながい たかひさ)さんです。
そして今回のこちら、とある寂れた温泉街を復興させる実話のビジネス物語になるんですが、もうかなりオモシロイ。
舞台は長野県阿智村。昼神温泉という温泉街が有名な場所です。
ひと昔前までは温泉客で賑わっていたこの街なんですが、時代とともに年々減少して行く観光客。
主人公の諸星くんは、なんとかこの街にもう一度輝きを戻したいということで、「ディズニーを超える!」とみなさんの前で大宣言し、そこから物語がスタートします。
その中から特に印象に残った部分をピックアップしながら、簡単に紹介していきますね。
①強みは何か?を理解する
阿智村の強みとは?温泉郷の強みとは?例えば、温泉の泉質が最高、綺麗な花々が季節ごとに咲き乱れる、ご当地グルメ、世界遺産、有名観光スポットがある。
などなど、その地域や街が持つ魅力にまず焦点を当て、強みを知ることの大切さを問います。
これは、会社やチーム、自分自身にも当てはまるんじゃないでしょうか。「強み(長所)を知り、強み(長所)を伸ばす。」ことの大切さ。
②当たり前のものに目を向ける
今回諸星くんが目を向けたのは、温泉ではなく「星」。もともと阿智村は「日本一星が綺麗な村」で認められるくらい、日本でも有数な星空スポット。
ただ今まではまさか星が売り物になるとは思いもせず、頭上に広がるそれは当たり前のものだったんです。
しかしある日、満点の星空に感動する出来事がおこり、これを売ろうと決意します。
③仲間を巻き込む
この本で一番すごいと思ったことは、諸星くんの周りの方の巻き込み方。
「ディズニーを超える」を合言葉に、自分の想いやビジョンを熱く語り続けます。次第に鍵となる仲間たちが集まっていき、反対勢力にも負けず突き進んでいきます。
- 反対勢力に負けない心
- 自分のビジョンを曲げない
- 想いと情熱
- 勇気ある行動力と発言力
- 年上やキーパーソンの引き込み方
- 素直さ
④変革のための8段階のプロセス
仲間を引き込むことによって、諸星くんは様々なビジネス知識を授かります。
こちらのジョン・コッターという経営学者が提唱した「企業変革力」を活用しながら物語は進んで行きます。
以下、本文より引用
「まず、現状満足を容認していては変革できません。十分な力を持ったチームが結成できなくてもダメ。ビジョンの大切さを過小評価してもダメ。ビジョンがあっても浸透できなければダメ。新たなビジョンへの障害発生を許容してもダメ。短期的成果の達成を怠ってもダメ。少々の成果だけで勝利宣言してもダメ。さらに成果が出ても文化に定着させなければダメ。そして、この8つのうち、1つでも過ちを犯せば変革はできません」
ジョンコッターの企業変革力
❶危機意識を高める
❷変革推進のための連携チームを築く
❸ビジョンと戦略を生み出す
❹変革のためのビジョンを周知徹底する
❺従業員の自発を促す
❻短期的成果を実現する
❼成果を生かして更なる変革を推進する
❽新しい方法を企業文化に定着させる— 隆|Laugfull (@laugfull) 2017年10月14日
⑤やりたからやる
お金のために頑張る、生き残るために頑張る。仕事を与えられたから頑張る。上から言われたから頑張る。
もう今は時代が違います。情熱とビジョンをもって、やりたいことをやる「モチベーション3.0」時代の突入。そちらを分かりやすく説明してあります。
主人公諸星くんは、悲しい辛いことに途中やられそうにもなりますが、これは自分がやりたいことなんだ!と決意を固くします。
モチベーション1.0
→生き残るために頑張る
モチベーション2.0
→目標を与えられ、目標達成のために頑張る
モチベーション3.0
→やりたいからやる言われたとおりに仕事をしているだけでは、あっという間に時代に取り残される。#そうだ星を売ろう
— 隆|Laugfull (@laugfull) 2017年10月14日
⑥ライバルや反対勢力の巻き込み方
この本に感動したもう一つが、ここ。反対勢力との付き合い方が抜群にうまい!
周りの人たちを批判することなく、いかにうまく付き合っていくかを常に考えていて、街全体にメリットがあるように仕掛けていきます。
ライバルの古本屋同士が集まることは、古本屋にとってもいいこと。
ブランドを育てるためには、他者ライバルというより仲間。
今ある市場を分け合う時には競争相手ですが、新しい市場を作り出す時は仲間。
これは色んな業界にも言える。#そうだ星を売ろう
— 隆|Laugfull (@laugfull) 2017年10月14日
「やったことがないから、やらない」という発想じゃ、何も新しいことはできませんよ!
反対派を説得する時間も手間ももったいない。そんな連中は放っておいて、やりたい人間だけでやってればいい。#そうだ星を売ろう
— 隆|Laugfull (@laugfull) 2017年10月14日
⑦リスクと失敗を管理する
物語ではリスクと失敗の向き合い方に関しても述べられています。
星を売るにあたって想定された大きなリスクは
- 天候により星が見えない
- 暗闇による事故や遭難
この2つ。他の旅館に対して協力を求めたときも、第一声で「そんなことしたら危ないでしょうが!」と諸星くんは言われてしまいます。
また、日によっては天候が悪く、星が見えない可能性だってあります。
それらのリスクと諸星くんは上手に付き合って行くわけなんですが、「学びを積み重ねるには、上手に失敗することが大切。上手に失敗しながら学ぶ3つのステップ」を学んでいきます。
リスク管理と失敗から学ぶ3ステップ
❶新しいことを試す
→ただし、挑戦に失敗はつきものと覚悟しておく❷失敗が大きな問題にならないようにする
→実験規模を見極めギャンブルを避ける❸失敗を失敗と認める
→失敗を認めなければ学ぶことができない#そうだ星を売ろう— 隆|Laugfull (@laugfull) 2017年10月14日
最後に
長くなってしまいましたが(ホントはまだまだ書きたい)、そろそろ終わりにしたいと思います。
もともと星が好きでこの本を手に取ったワケなんですが、実際の村がモデルで再生されて行く様子は、とても感慨あるものでした。
僕自身田舎町出身で、帰省の度に廃れて行く様を感じています。商店街なんてまさにシャッターだらけです。
人口減少に伴い仕方のないことかもしれないんですが、僕だけじゃなくみなさんも本当は思ってるはずでしょう。「地元(地方)を盛り上げたい」って。
今回のこの阿智村のケースを特別視するのではなく、「どうしたら自分たちの町に活かせるか?」そうした視点が必要ではないでしょうか?
「強み」を考え出したあなたは、その一歩を踏み出しているのかもしれませんね。
では、ここまで読んで頂きありがとうございました!興味ある方はぜひ読んでみてくださいね!
最後に、阿智村に星を見に行きたい!という方は
HPがとてもオシャレなので見てみてくださいっ!
参考に載せておきます。
天空の楽園 日本一の星空ツアー