童貞捨てる予定で世界一周したらゲイに目覚めた芸人が本出した話


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Hikari
こんにちは!hikariです  🙂

あなたの好きな芸人は誰ですか?

私には控えめに言って、こいつらが世界一面白いお笑い芸人だ!と断言できるコンビがいる。

きっと誰も聞いたことのないコンビだと思う。

しかし冗談抜きでそう思うのは、ひょっとしたら私がつくられた彼らを知らないからなのかもしれない。
そこにいるありのままの彼らしか知らなくて、「画面越しの面白い人たち」とは私の世界で一線を画しているからなのかもしれない。

彼らのコンビ名は「春道」(はるみち)

共に若干23歳、櫻間心星(さくらまじんせい)と林高士(はやしたかし)から成る二人組だ。
互いの名前が物語るように名前だけ聞いても目で見ても、そして二人のやりとりを体感しても
驚くほどに対照的なコンビだ。

向かって左が高士、右が心星。

 

気が強く熱血マンの心星と、弱気ででも個性の爆発と化している高士の掛け合いは、日常会話からコントが繰り広げられている。

高士はいつも心星にけちょんけちょんにいじられていて、ときどき大丈夫か、と心配になったりするのだが、そうすることで互いへの愛と尊敬を表しているらしい。

証拠に、心星は「高士まじキモっ!」と言った後、平気で「俺、こいつのこと愛してんっすよ」と口にする。

ど素人な私がすみませんなのだが、この人間が面白いか面白くないかという単純な言葉で線を引いたとき、彼らは確実に面白い側に分類されるし、そこに「世界一」という肩書きをつけたくなるのは、彼らの存在に対してだ。

もはや彼らがこの世に生を受けたこと自体が面白みの傑作で、なんなら「二人をこの世に存在させてくれてありがとう」と、さすがのローランド様もびっくりの上から目線をひっさげて、できるだけ早めに彼らのご両親のもとへ、挨拶にいかせていただきたいくらいなのだ。

そこまで断言できるのは、私が全身全霊かけて彼らを目で耳で鼻で脳味噌で、もっと言えば口で手で足で味わったからだ(決して、断じていやらしい意味ではないことを添えておきたい、念のため)。
そしてそれに同意してくれる人たちが確実に一定数いるのを、はっきりと目にしてきたからだ。

そんな2人が2020年6月2日に本を出版した。

タイトルは『正直、旅は僕らのコントより面白い』

上記した「世界一面白い芸人コンビ」という言葉を、とても簡潔に表しているタイトルだと思った。

彼らは1年半かけて74ヶ国を旅し、2018年に帰国している。

この本にはその旅の全てが書かれていて、中でも彼らにとって印象深かった国、体験が長めにピックアップされ語られている。

目次から面白い。ずるい。

 

全ストーリーもれなく笑い必須で、見事なオチつきだ。
以下に少々、本の内容も紹介させていただきたい。

電車で読むことがあれば十分に周囲を確認した上で、周りの人との距離をしっかり取ってから読み始めることを推奨する
さもなくば、「電車で本読みながら一人でずっと笑っとる奴おって草」とtwitterで拡散されることぐらいは、覚悟しておいた方がいいかも知れない。

彼らを考えるとき、一番に「旅人」ではない。
どこまでいっても彼らはお笑い芸人だし、この本を読み終えた今、彼らとは旅中に出会った私もそれを再確認した。

だから彼らの世界一周の旅は、他のどんな旅人にも出せない面白さを漂わせてくる。
しかもどストレートの直球ではなく、なんか、あれ?今通り過ぎた人のフェロモン香、なんとなくタイプかもしれんわ〜、みたいにふんわ〜り漂ってくる方のやつに似ている。

この本は、そこいらの旅行記とは確実に一線を画しているのだ。これは芸人による旅紀行本ではない。旅をした芸人が書いた本気のネタ本(事実のみ)だ。

ツッコミの櫻間心星

とは、オーストラリアはタスマニアで、ひたすら一緒に草をむしっていた(仕事だ)。
強がりで負けず嫌いの寂しがりやで、鋭過ぎる観察眼までも持っている。
おまけにめちゃくちゃ素直な奴ときているから全く侮れない。

素直過ぎて時々傷つけられる。

「ひかりさんって本当にいい人っすよね!まあ、こうなりたいとは思わんけど。
尊敬も別にしないけど」とか、面と向かって平然と言ってくる。
一つ上げてくれたと思ったら、二つ下げてくるからえ、結局それマイナスやん!てなる。
だから憎めない。大好きだ。

タスマニアではみんなでずっとこうしてキャンプしていた。

 

そして心星は惜しげもなく、心からの愛してるを口にする。

いつもどこか、何か一線を引いていて冷めた目で物事を見ているようで、それでいてめちゃくちゃ熱い、暑苦しい。
更に、それでいて何事にも全力なのだ。

心の底から彼を愛おしいと感じるのは、その全力と同じくらいの、もしくはそれ以上の力でナルシストだからだ。
これは私も、心星に負けないくらいの全力で「良い意味で」と言わせていただきたい。

見るからに自分が大好きで自信があって、彼が発する言葉の端々に、俺かっこいいっしょ!という隠された真の意図が見え隠れする。
そしてそのかっこいいは、ことごとく正解を出しまくる。
むしろ、心星=かっこいいではなく、かっこいい=心星なのではないかとすら思わされる今日この頃である。

我々が「ナルシスト」という言葉をネガティブに捉えてしまうのを、その言葉が本来持つ意味に変えてくれるのは、再び、ローランド様ではなく心星なのかもしれない。

キャンプの朝。心星の情熱である音楽についてめちゃくちゃ語ってくれた。(朝から熱い。焚き火ももう消えてるのに……)

 

福岡で見送りができなかったとき、置き手紙を置いてこっそり去るというキザロマンチック過ぎる手法で泣かせてきたのもこいつだ。

そしてそのキザロマンチストさえも彼の芸人としてのキャラなのかと疑ってしまう賢さを併せ持っている。

ボケの林高士

自分の魅力を十二分に知っている。
素人目から見て(高士くん、素人が評価をしてしまってごめんなさい)、彼が生み出すその面白いのか面白くないのかわからないから面白すぎる、みたいな絶妙ラインを確実にわかった上で、面白い自分とちょっとスベるかも知れない自分を、ふと会話の中にはさんでくる。(心星には否定されそう)

しかもその相手の反応をさえ、面白がってみている節がある。
しめしめ、笑ってくれたな、合格だ、みたいな。

 

福岡の太宰府天満宮にて。自分のドッペルゲンガーを見つけた高士は躊躇なく声をかけていた。

 

そして彼は彼の愛おしさを理解してくれる人を、とにかく本能のままに嗅ぎ分ける。
意識的にか無意識のうちにか培ってきた、そのペット的可愛さで周囲の人間を魅了し虜にし、挙げ句破壊するのだ。
その勢いはもうよくわからないが、ジャニーズJr.のあの僕らピュアでしょ、のアピール感に限りなく近い。

しかも怖いのは、奴が持つ武器の一つにあのダイアモンドのような瞳の輝きがあることだ。
これはもう、鬼に金棒、千鳥に海、ローランドに真っ白すぎて逆に不気味な歯だ。

それはいっときでも暇さえあれば、画面の向こう側で転がりまくる猫ちゃんたちの動画をひたすら見まくっていた人になら、容易に想像できよう。

奴のあの愛嬌がどこから運ばれてくるのか甚だ疑問だ。
世界が彼を好きになる。老若男女、きっと人類をも超えて彼を好きになってしまう。
不可避なことだ。

なぜならそれはこちらから発信した感情ではない。
彼がかける謎の呪文を伴った魔法によってなのだ。

だからもし君が高士の愛らしさにやられてしまっても、誰も責めまい。
仕方ないよ、と肩一つ叩いてもらえるだろうから安心してほしい。

私のタスマニア最終日。わざわざシティまで挨拶しに出向いてくれるほどに礼儀正しい二人。

 

そして高士もまた、本人が思っている上をいく120%を、いつも発揮できるという実力の持ち主なのだ。

素晴らしいのは旅をしていた1年半、1日も欠かさずに長文日記を書き続けたこと。
頭が上がらない。

一年半ぶりに帰国した二人と博多のもつ鍋を食べた。「日本食まじうめぇー!」しか言っていなかった。

 

こんな二人だから、M-1一回戦敗退を聞いたとき、ネタなのか?これはネタなのか??と疑ってかかってしまったほどだ。(ごめんね、お疲れ様でした。)

さてここで、本の内容をちらっと紹介させていただくので、読みたいって気になってほしい!

中国

では、高士が行方不明になり、心星は散々心配する。
しかし数時間後、ホテルに戻ってきた高士はひげちゃんと呼ぶ中国人を引き連れ、散々楽しんでいたのだ。
ひげちゃんに対する心星の心の揺れが面白過ぎて、愛おし過ぎて爆笑してしまった1秒後になぜか目から汗が出た。

初めての国での初日にこのミッションは高士にはインポッシブル過ぎたか。

この一文、シンプル過ぎてやられた!心星天才かよ。

ベトナム 

ではまたもや高士が散々事件を巻き起こし、キレた心星にミスの挽回方法を宣言する。
1日に一発ギャグを10個、1週間で70個つくること。まじか。見てない。見たい。
その後も何やらあり大喧嘩した二人。
この世界一周が初海外だった高士は、日本に帰りたいとぼやく。

しかしそこで心星の熱血相方ぶりが炸裂する。
それに対する高士の素直さは、もうただのママにあやされる少年だ。

二人の掛け合いは、必読だ。

ニカラグア

では彼らが移動手段として乗っていたバスが、目出し帽を被りマシンガンを手にした集団に囲まれる。ここで終わりか、と命の危機を感じた心星は必死に遺書を書く。
果たして二人はどうなってしまうのか。
ここではもう、心星の文章に身を委ねてしまえば間違いない。臨場感が伝わり、気付いたら手に汗握っている。

キューバ

ー高士のターン!ー
「ゆけっ!キューバでの初体験!」という心星の合図と同時に繰り出される、高士ののんびり舌足らずキューバトーク。
そのトーンとは裏腹に、この記事のタイトルにもさせていただいたのだが、内容はどぎついもので、このストーリーは正確に且つ確実に聞き手をK.O.する。

私の福岡、大阪、その他世界中の友人がそうだったからして、この技は百発百中の禁じ手としよう。
そのストーリーを聞き、目が飛び出るほどのショックを受けた後、笑い転げる敗者を横目に、二人はしてやったり顔でニヤリと微笑み合うのだ。

他にも、

有名どころのペルーやボリビアといった南米をはじめ、インドやアフリカ大陸から聞いたことのないような国まで訪れ、面白くてハラハラな体験をしてきている。

活字本を読んでいて、初めてこんなに笑った

二人の文才が溢れ出ていて、自分も一緒に旅をしているかのような気分に陥るほどにスラスラ読める。

ぶっ飛び過ぎている部分もあるが、旅人には参考になる有力情報も、たくさん盛り込まれている。
必ずやあなたの次の旅に役立つであろう。

そして本書の終わりにある番外編、成長期の最後の最後に高士が書いた一文。
この一文に二人の全てが詰まっている、と言っても過言ではないだろう
ここで泣かせてくるか、高士め!とぐしゃぐしゃ、べちゃべちゃの顔で呟くしかなかった。

これぞまさに、男の友情をも越えたコンビ愛

旅中にもオーストラリアのファームを渡り歩き、旅資金を貯めた春道の二人。

 

彼らが旅を終えたときに思ったのは「無事帰ってきてくれてありがとう〜」だったが、本書を読み終えた今「ほんまにほんまに!!!!!!生きて帰ってきてくれてありがとうううう!!!!!一生感謝します!!」ばりな感極まり熱意ある心境になるほどに、彼らの旅の詳細が書かれている。

世界中探してみても、こんなに面白い旅をしてきた奴はいない。
断言するのは、この旅を決行したのが心星と高士という、春道の二人だからだ。

旅中お世話になった紙々を背表紙に散りばめて……。おしゃれか!

 

春道を知っている人も知らない人も、騙されたと思ってぜひとも本書を手に取ってみてほしい。
1ページ目から、いや、表紙の時点で笑うから。

ご購入はこちら!。後悔はさせない。(このリンク飛んだら、何ページか試し読みができるようです)

心星は、「この本を名著の横に並べるな、トイレが似合う。ユルっとトイレにでも置いてくれ」と言っていたけれど、私はここに置かせていただくことに決めたよ。
君が望んでいた星の王子様は、残念ながら電子書籍の仲間入りをしてしまっていたから泣く泣くな。

 

P.S. 春道の二人へ。私は君たちがどんなに売れたとて、インドのネタを見せてくれるまでは認めません。
あ、あと次会うとき、君たちがキリマンジャロ登山中に繰り広げた「いそうなポケモン山手線ゲーム」にどうか参加させてはくれまいか。

 

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